ユーロ/円相場は、131~133円水準で揉み合う展開に。対円市場では円安傾向が持続しているが、対ユーロでは特に明確な方向性を打ち出せておらず、ポジション調整中心の小動きに終始している。欧州経済の先行き不透明感が蒸し返されていることに加え、対ドルでユーロ安が進行していることが、ユーロ/円相場の上値を圧迫している模様だ。ただ、円安基調そのものを否定するレベルには至っておらず、年初来高値圏で膠着気味の相場展開になっている。
5月16日に発表されたユーロ圏1~3月期国内総生産(GDP)は前期比-0.2%となり、これで6四半期連続のマイナス成長となった。市場予測通りの結果と言えるが、景気減速の波がドイツなどの中核国にも及んでいることが確認されており、欧州経済の先行き不透明感が蒸し返されている。14日に発表された5月独ZEW景況感指数も、市場予測40.0に対して36.4に留まっており、低調な欧州経済指標が改めてユーロの上値を圧迫している。欧州中央銀行(ECB)は今月に0.25%の利下げに踏み切っているが、追加政策対応を迫られるリスクが警戒される。欧州委員会のタヤーニ委員などからは、通貨安誘導の必要性に言及する発言も聞かれるなど、ユーロの上値が圧迫され易くなっている。対ドルではユーロの上値が重い展開が続くことになるだろう。
もっとも、対円市場ではユーロの下振れリスクは限定的とみている。22日の日本銀行・金融政策決定会合では特に新たな緩和策などは打ち出されない見通しだが、着実に緩和政策が実行に移される限り、円が大きく上昇する環境にはない。弱さ比べからユーロ/円は膠着気味の展開になっているが、緩やかなペースでの押し目買い基調は維持されると考えている。
今後1週間の予想レンジは、130.00~134.00円。